初恋エターナル
「そう……なんだね……」
カヤの話を聞き終わっても、私の口角はうまく上がらなかった。
おめでとう、そう言いたいけど。
口が思うように動いてくれなくて。
『ニューヨーク留学……したい』
その言葉が、ずっと頭から離れない。
そんな、突然……?
ニューヨークなんて……私はどうなるの……?
そんな考えばかりが頭の中を埋め尽くしていく。
「俺、もっと俳優として大きくなりたい」
言いにくそうに言葉を紡いでいくカヤだけど、決して止まることはなくて。
もう決めた……。そんな表情だった。
「相談もなしに……?」
「っ、」
「なんでもっと早く言ってくれなかったの……?」
膝の上で作る握り拳の上に、私の涙がポタポタと落ちていく。
「そりゃ私だって……相談してくれてたらもっと応援できてた……っ」
自分でも何を言っているのかわからない。
でも、怒りと、悲しみと、寂しさ。
全ての感情がぐるぐると混ざって、どうしよもなく涙となってあらわれる。
「……ごめん、」
ただ謝って俯くカヤ。
そんなカヤに、今はいっぱい嫌なことを言っちゃいそうで。
そんな自分も怖くて。