初恋エターナル





「カヤは元気?」



「は、はい!毎日お仕事頑張ってますよ……!」



カヤのお母さん___真綾さんは、思っていたよりも気さくで、かわいらしい人だった。



たくさん私に話しかけてくれるし、話が途切れることもない。



とってもいい人なんだなぁ……。



上がっていって!と半ば強引に再び今に上がった私は、真綾さんが出してくれた真っ赤ないちごを口に入れる。



「お、美味しいです……!」



「ふふ、そう?よかったわ」



ニコニコして私を見つめる真綾さんは、カヤが笑った時の顔に似てるなぁ、なんて少し思った。



でも、なんでこんないいお母さんなのに、カヤはあまり家のことをよく思ってないんだろう。



話を聞く限り、勝手に家を出てきたなんて言ってたし……。



お母さんと長い時間、連絡も取ってないんだろうな……。



「母さん、先輩、兄貴のこと変えたっぽいよ」



微笑みながら真綾さんに、カヤの話を切り出す月くん。



カヤの話をするのは、タブーじゃないんだ……。



月くんは、カヤが勝手に出ていって、数年ぶりの再会を果たした時、すっごく怒ってたから、てっきり真綾さんも怒ってると思ってた。



でも、今は全然そんな感じはしない。





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