初恋エターナル
「カヤ、昔からどこか私たちに一線を引いてたの……」
真綾さんは、少し寂しそうに話し出した。
「突然家を出て行っちゃって。高校から一人暮らしするからって」
ほんと、困った子よね。そう笑う真綾さん。
そっか、中3の時にスカウトされて、それで俳優になるために……。
「うちは貧乏だったから、それが嫌だったのかも」
月くんは、何も言えないのか、黙って下を向いてしまった。
なんで俺こんな話題出してしまったんだよ……そう言うような目を私に配った。
私がもっと働かなきゃいけなかったのね、そう自嘲気味に笑う真綾さんを見てられなくて、口を挟んでしまった。
「ち、違いますっ」
ダメだ、これは私が止まってくれない___……。
「カヤは……カヤは!真綾さんのこと、邪魔とか、もっと裕福に暮らしたいとか……!そんなことは1ミリも思ってないんです!」
カヤ。
やっぱりあなたは、誰よりも不器用で、優しい人。
それがうまく伝わらないだけなのにね。
絶対にわかってくれる人が周りにいるのに。