初恋エターナル
「また気が向いたら、遊びにきてね」
そう言われて、真綾さんとはおわかれした。
そして、カヤとの帰り道。
もう夜中だからか、車通りも少なくて、静寂が私たちを包んでいた。
「くるみ」
「……ん?」
改めて2人になると、やっぱり私が怒って出て行っちゃった時のことを思い出して、気まずくて。
早く謝らなきゃいけなかったのに、カヤが先に口を開いちゃった。
「ごめんな」
「え……?」
カヤが立ち止まる。
暗くてカヤの表情はよく見えない。
「俺、自分のことしか見えてなくて、」
「っ……いいよ」
「え……?」
私は、まだ何かを言い続けようとするカヤの言葉をさえぎった。
ほら、真綾さんと話し合った時みたいじゃない。
「カヤ……。カヤが思ってるほど、カヤは自分勝手じゃないよ」
「っ、」
「実はみんなのことをよく見てて、自分が1番繊細で、1番悩んで考えて」
うつむくカヤを正面から抱きしめる。
今は小さく見えるカヤも。
カヤの重いものを抱え込みすぎたカヤの心も。
全部全部、包むように。