初恋エターナル



実家から持ってきた、お客さんようの布団なんだ。


弟の布団でもあったんだけど。


……あっ、そうだ。


いつも一緒に寝ているアザラシのぬいぐるみの存在を思い出す。


あの子がいなきゃ眠れない感じかな。


ベッドに転がるカヤの頭上を探る。


照明は全て消して室内は真っ暗なので、探しにくい状態だ。


うぅ、どこにいるの……。


手を動かしてもあるのはシーツと枕、カヤのサラサラした髪だけ。


もうっ、電気つけちゃえ!


照明をつけるボタンを押すため、立ち上がる。


ガコッ!


「いったぁぁ!」


歩き出した瞬間、ミニテーブルの脚に小指をぶつけた。


ううぅ……痛いよぉ。


しゃがみこんで床に転がる。


久しぶりにぶつけたなぁ。


耐えること数十秒。
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