初恋エターナル
4. たったの一晩。
「どっか行くの……?」
少し焦りながら彼の背後に立つ。
「おー、出てくわ」
一瞬、カヤの言っていることが理解できなかった。
出て行く……?
「一晩止めてもらってありがとーな」
カヤは、私に笑いかけた。
「サングラスとか持ってねぇ?このまま出た
ら色々まずいんだよな」
そうつぶやきながら、カヤは靴を履き始める。
「帰るとこ、あるの」
なんで……。
昨日まではずっと、早く帰ってくんないかな、なんて思ってたくせに。
なんで……。
……なんで、今になって、帰ってほしくないなんて思ってるんだろう。
「まあホテルとか、てきとーに」
ホテルなんて、絶対嘘だ。
ホテルに泊まれるのなら、昨日あんなところに倒れてなかったでしょ。