初恋エターナル



「16っス」


16歳ってことは……私の2つ下だから、高校1年生か!


「へぇー、高1かー!どこの?」


「清輝っス」


……清輝って、結構偏差値高いところだよね……!


私は感心しながら、焼き鳥を1本たいらげ
た。


「大咲……さん……先輩はこんな夜遅くまで
 バイトって……何のために?普通これだけ
 働かなくたって食べていけますよね」


ふと、月くんに言われて疑問に思う。


……なんで私は、こんなに働くんだろ。


別にほしいものがあるってわけでもない。


弟も今はいない。


……カヤを忘れるため?


「っ、」


「大咲先輩?」


私はカウンターにたまたま置いてあった飲み物を一気に飲み干した。


「ちょ、大咲先輩」


あぁ、なんだか眠いな。


もう、全部忘れたい。


少し焦った表情の月くんを見たのを最後に、意識を手放した。
< 59 / 262 >

この作品をシェア

pagetop