初恋エターナル




「あ……」

重いレジ袋を片手に持って、スーパーを出ると白くて冷たい花びらが視界を遮った。


「雪……」

無意識に手を出して雪を手のひらにのせる。

小さな雪の結晶が手のひらにそっと当たっては、スッと消えていく。

きれいだなぁ。


雪なんて、久しぶりに降ったのかもしれない。

ふー、寒い。

自転車で来たんだけど……これじゃあ乗って帰れないなぁ……。

しかたない、自転車は押して帰るか……。


「遠いよ……」
マフラーに顔を埋めて嘆く。

家までの距離は意外と長い。

いつも自転車で来てたから全然知らなかった……。


盛大にため息をついているうちにどんどん雪が吹雪いてきた。
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