もう、離れるな 〜地味子×チャラ男の一途すぎる両片思い〜
最初、榎本が俺に話しかけてきた時、あいつはこう言った。
「私、琴莉ちゃんの友達でよく相談に乗ってるの。ナオのことも聞いてるよ」
と。
学年が違うのに友達になるものだろうか、と一瞬疑問がよぎったものの、まさに俺と琴莉
がそんな状態だ。
榎本を否定するということは、俺自身をも否定することになる気がしたので、俺は素直に榎本の言葉を受け入れることにした。
それからも、榎本は「自分は琴莉ちゃんの友達として」という枕詞を使い、たくさん琴莉に関するアドバイスを送ってくれた。
それは、アメリカに行っている間も変わらず。
……その情報に、嘘があるようには思えなかった。
信じていた。
実際、だから俺はこうしてまた、琴莉と同じ学校の生徒になることができた。
榎本のおかげで。
だから、たったそれだけの事実を膨らませた結果、それ以外のところは見向きもしなかった。
する必要もないと、思い込んでいた。
でも、やっぱりずっとモヤモヤしてた懸念点はどこかで払拭するべきだったと、この時になってようやく俺は後悔した。
「どうして榎本と琴莉が仲良く話をする様子を、1度も見たことがないのだろう」
という、よく考えれば辿り着けたはずの違和感は、すっかり俺の疑う能力を奪っていたのだ。
そうして、俺は決意した。
榎本に問いただすことを。
「お前が、俺のラインを見たのか?」
「琴莉の事故を見たのか?」
「なんで止めなかったのか?」
聞きたいことは山ほどある。
どれから聞けばいいかをきちんとノートで整理をし、覚悟を決めてから俺は学校で榎本を呼び出した。
おそらく、この話がきっかけで俺は榎本という頼れた親友を失うことになる。
それでも俺は、前に進まないといけないと思った。
琴莉のためではなく、俺自身のために。
「私、琴莉ちゃんの友達でよく相談に乗ってるの。ナオのことも聞いてるよ」
と。
学年が違うのに友達になるものだろうか、と一瞬疑問がよぎったものの、まさに俺と琴莉
がそんな状態だ。
榎本を否定するということは、俺自身をも否定することになる気がしたので、俺は素直に榎本の言葉を受け入れることにした。
それからも、榎本は「自分は琴莉ちゃんの友達として」という枕詞を使い、たくさん琴莉に関するアドバイスを送ってくれた。
それは、アメリカに行っている間も変わらず。
……その情報に、嘘があるようには思えなかった。
信じていた。
実際、だから俺はこうしてまた、琴莉と同じ学校の生徒になることができた。
榎本のおかげで。
だから、たったそれだけの事実を膨らませた結果、それ以外のところは見向きもしなかった。
する必要もないと、思い込んでいた。
でも、やっぱりずっとモヤモヤしてた懸念点はどこかで払拭するべきだったと、この時になってようやく俺は後悔した。
「どうして榎本と琴莉が仲良く話をする様子を、1度も見たことがないのだろう」
という、よく考えれば辿り着けたはずの違和感は、すっかり俺の疑う能力を奪っていたのだ。
そうして、俺は決意した。
榎本に問いただすことを。
「お前が、俺のラインを見たのか?」
「琴莉の事故を見たのか?」
「なんで止めなかったのか?」
聞きたいことは山ほどある。
どれから聞けばいいかをきちんとノートで整理をし、覚悟を決めてから俺は学校で榎本を呼び出した。
おそらく、この話がきっかけで俺は榎本という頼れた親友を失うことになる。
それでも俺は、前に進まないといけないと思った。
琴莉のためではなく、俺自身のために。