もう、離れるな 〜地味子×チャラ男の一途すぎる両片思い〜
「ナオは、私にどうして欲しいの?」

「そんなの決まってるだろ。琴莉に謝れよ」


俺が詰め寄ると、榎本は「バカじゃないの」とせせら笑う。


「確かに、勝手にあなたのスマホを見たからあなたには謝らないといけないわね。ごめんなさい」


表面的な謝罪は、相手をイライラさせるのに十分な効果があるのだと、俺は改めて実感した。


「謝るのはそれだけかよ」

「は?」


榎本は、本気でわかっていないのだろうか。

それとも、わかっていてわからないフリをしているのだろうか。


「この写真はなんだ」


俺は証拠の画像を見せながら、榎本を問い詰めた。


「これは、琴莉の事故直前だろ?なんでこんなもの、お前が撮れんだよ」

「私が撮った証拠なんてないじゃない」

「見てたやつがいたんだよ!」

「…………へえ。そう……」


榎本は気味が悪い笑いを浮かべてから、とんでもないことを言ってきた。
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