もう、離れるな 〜地味子×チャラ男の一途すぎる両片思い〜
それから俺は、あっという間に病室からつまみ出された。
まるで、餌を求めて彷徨い込んだ蜘蛛を、あっさりと外に
放り出すかのように。
足1本は千切れても
「お前が入ってきたのが悪いんだ」
と、さも当然のことだと言わんばかりに。
「何度言えばわかるの?うちの琴莉に近づかないでとあれほど言ったじゃない!!」
「お母様、落ち着いて」
「看護師さんも、どうしてこんな子を入れたの!?この子のせいで、琴莉は……こんな酷い目に……」
「ほら、お母様、琴莉さん見てますよ」
「そうだわ、琴莉……琴莉!!」
そんなやりとりを看護師としてから、琴莉の母親は俺の方を振り返りもせず、病室に戻っていった。
俺も、琴莉にもう1度会いたかった。
病室に入りたかった。
でも、今度は看護師からも正式にNGが出た。
ここから先は、家族の時間を取り戻す時間だと言われた。
……俺だって、時間を取り戻したい。
できるなら、バレンタインの朝に戻ってでも。
まるで、餌を求めて彷徨い込んだ蜘蛛を、あっさりと外に
放り出すかのように。
足1本は千切れても
「お前が入ってきたのが悪いんだ」
と、さも当然のことだと言わんばかりに。
「何度言えばわかるの?うちの琴莉に近づかないでとあれほど言ったじゃない!!」
「お母様、落ち着いて」
「看護師さんも、どうしてこんな子を入れたの!?この子のせいで、琴莉は……こんな酷い目に……」
「ほら、お母様、琴莉さん見てますよ」
「そうだわ、琴莉……琴莉!!」
そんなやりとりを看護師としてから、琴莉の母親は俺の方を振り返りもせず、病室に戻っていった。
俺も、琴莉にもう1度会いたかった。
病室に入りたかった。
でも、今度は看護師からも正式にNGが出た。
ここから先は、家族の時間を取り戻す時間だと言われた。
……俺だって、時間を取り戻したい。
できるなら、バレンタインの朝に戻ってでも。