もう、離れるな 〜地味子×チャラ男の一途すぎる両片思い〜
5.エピローグ
それから俺たちは、まずはそれぞれの両親に改めて二人の気持ちを報告することにした。
こんな大騒ぎをした俺たちのことを、すんなり認めてくれるわけはないと思っていたが、予想に反してどちらも俺たちのことを好意的に捉えてくれた。
琴莉の体調が安定してきたことが理由だと、琴莉の父親が教えてくれた。
「君が側にいてくれているおかげで、琴莉が前のような笑顔を見せてくれるようになった」
琴莉の母親は、相変わらず俺に対しては複雑な気持ちを抱いているようだった。
だが、少し前のように琴莉が死にたいと言わなくなったり、夜無意識に歩き出すことがなくなったとのこと。
「しばらくは様子見するけど」
そう、直接宣言された時は、とても緊張した。
けれどそれ以来は、比較的穏やかな目で、俺たちを見てくれているような気がした。
むしろ俺の両親の方がかなり厳しい言葉を俺にぶつけてきた。
「そんなに簡単なことじゃない」
「気持ちだけでどうにかなるなどと思うな」
「中途半端な生き方は、返って失礼だ」
その言葉のどれもが、琴莉の人生のこれからの大変さを示しているようだった。
でも、その言葉を聞くたびに、俺は気を引き締める。
大丈夫、とは言わない。
大丈夫にしたい、とは言う。
頑張りたい、とは言わない。
頑張る、とは言う。
だけど言葉だけではダメ。
琴莉と一緒に生きていくためには、ちゃんとした行動も見せなくてはならない。
琴莉の側で。
両親からは言われた。
勉強をやり直せ、と。
それは、その通りだと思った。
俺がしている仕事は映像編集や画像制作、そして時々モデルという今時の流行の仕事ではある。
スキルさえあれば、どこででも働けると聞き、今の会社で働かせてもらった。
でも、社長も言っていた。
スキルはあっても、学んだ経験は大事だと。
目の前のことだけに囚われるなと。
俺はその言葉をずっと無視しながら、ただお金のために必死にスキルを磨いてきたけれど。
今この時になって、目先のことだけではいけないのだと実感した。
この世界で生きていくには、自分の世界の当たり前で生きてはダメなのだと、琴莉の事故で思い知らされた。
もし、琴莉があのまま死んでしまっていたとしたら、俺は一生後悔してもしきれなかっただろう。
琴莉にそれを言うと
「私も、あのままサヨナラしなくて良かった」
そう、話してくれたのが嬉しかった。
こんな大騒ぎをした俺たちのことを、すんなり認めてくれるわけはないと思っていたが、予想に反してどちらも俺たちのことを好意的に捉えてくれた。
琴莉の体調が安定してきたことが理由だと、琴莉の父親が教えてくれた。
「君が側にいてくれているおかげで、琴莉が前のような笑顔を見せてくれるようになった」
琴莉の母親は、相変わらず俺に対しては複雑な気持ちを抱いているようだった。
だが、少し前のように琴莉が死にたいと言わなくなったり、夜無意識に歩き出すことがなくなったとのこと。
「しばらくは様子見するけど」
そう、直接宣言された時は、とても緊張した。
けれどそれ以来は、比較的穏やかな目で、俺たちを見てくれているような気がした。
むしろ俺の両親の方がかなり厳しい言葉を俺にぶつけてきた。
「そんなに簡単なことじゃない」
「気持ちだけでどうにかなるなどと思うな」
「中途半端な生き方は、返って失礼だ」
その言葉のどれもが、琴莉の人生のこれからの大変さを示しているようだった。
でも、その言葉を聞くたびに、俺は気を引き締める。
大丈夫、とは言わない。
大丈夫にしたい、とは言う。
頑張りたい、とは言わない。
頑張る、とは言う。
だけど言葉だけではダメ。
琴莉と一緒に生きていくためには、ちゃんとした行動も見せなくてはならない。
琴莉の側で。
両親からは言われた。
勉強をやり直せ、と。
それは、その通りだと思った。
俺がしている仕事は映像編集や画像制作、そして時々モデルという今時の流行の仕事ではある。
スキルさえあれば、どこででも働けると聞き、今の会社で働かせてもらった。
でも、社長も言っていた。
スキルはあっても、学んだ経験は大事だと。
目の前のことだけに囚われるなと。
俺はその言葉をずっと無視しながら、ただお金のために必死にスキルを磨いてきたけれど。
今この時になって、目先のことだけではいけないのだと実感した。
この世界で生きていくには、自分の世界の当たり前で生きてはダメなのだと、琴莉の事故で思い知らされた。
もし、琴莉があのまま死んでしまっていたとしたら、俺は一生後悔してもしきれなかっただろう。
琴莉にそれを言うと
「私も、あのままサヨナラしなくて良かった」
そう、話してくれたのが嬉しかった。