もう、離れるな 〜地味子×チャラ男の一途すぎる両片思い〜
私が小学生になった時。

確かに、学校へは一緒に行くことができた。

アイツに手を引っ張られて。

だけど、玄関についてしまうと


「じゃあね、ことちゃん」


と言ったアイツは、私を玄関に置き去りにしてから、あっという間に校庭へと行ってしまう。

私以外の誰かと遊ぶために。

その中には何人か、女の子もいた。

私はその女の子たちがとても羨ましくて仕方がなかった。

もちろん、教室に行ってもアイツはいなかった。

当然だ。私は1年生で、アイツは2年生なのだから。

だけど、そんなことすら、私は知らなかった。

だから、アイツが遠くに行ってしまったようで……寂しくて、悲しくて、私は教室で泣いてばかりいた。

そんな私についたあだ名は、ニワトリ。

ことり、という私の名前とかけ合わせた、私らしい嫌なあだ名。

クラスの男の子たちは、私に会うたびに


「ほら、コケコッコーと鳴いてみろよ!」


「にーわとりっ!にーわとりっ!」


とケラケラ笑った。

私はあっという間に、学校に行くことが嫌いになり、部屋に引きこもるようになった。

そんな私を救ってくれたのも、アイツだった。
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