よるの数だけ 守ってもらった


あの容れものが“死骸”であることを、担任の、だいたい同じ台詞で、初めて認識する。



またやってしまった。

もうやらない。

やってはいけないこと。

フツウの人はしないこと。

だけどわたしはフツウの人だ。

フツウなはずだ。



そう思う自分とすべてどうでもいいと思う自分。どちらもわたしなんだけれど、まるで感情が手の届かない遥か先へ、もしくはずっと後ろのほうに落としてきたような感覚。

感情を探して周りを見渡す行為は、すこし、疲れてしまう。


なんでだろう。

いつから、何が理由で、どうして。



「そら、今日の放課後空いてる?買い物行かない?」


朝から放課後の話をはじめたミナに、なぜかほっとしたような気持ちになる。


「うん。何か欲しいの?」

「彼氏の誕生日プレゼント買いたくて。ほら、前にそらがあげたもの、満実先輩がよろこんでたの知ってるからアドバイスもらいたいなーって」


良いなあと、純粋に思う。

同時に、さね先輩が笑っていた日々も浮かんできた。


懐かしいと思い出として馳せるにはまだ浅くて、清算できない過去がただ羨ましくなる。



今日はやらない。

ミナと買い物に行く。


だけど、本当は、やりたい。


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