幸せなひとときをきみに〜隠れ御曹司の不器用な溺愛〜
昨夜、ベッドで乱れた麻衣は俺の腕のなかで静かに寝息をたてている。

もう少しこうしていたいが朝から会議がある。

ゆっくりと腕を抜いて顔にかかっている髪をすいて流してから頬にキスをしてベッドから出る。

支度を整えていると麻衣が目を冷まし掛け布団で胸元を押さえながら

「ねえ、私たちこれからどうなるの?」

どういう意味だ?

言葉の意図がわからない。混乱する頭で

「どうもならないだろ」

と、答えてみたがなにかが引っ掛かる

「明日会える?」

「あー明日は上司と会食だけど別に勝手に来ればいいだろ」

本当は麻衣とゆっくり過ごして伝えたいことがあるが会議のこと明日の事で頭がいっぱいでそっけない言い方になってしまった。

いつも後から、ああ言えば良かったと思うが、仕事や麻衣の事以外なら上手く言えるのに麻衣に対してはいつも言葉が足りなくなる。

「そっか、じゃあね」

「行ってくる」
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