幸せなひとときをきみに〜隠れ御曹司の不器用な溺愛〜
会議では隙間時間の休憩所というネットカフェについて社内コンペをするという事だった。

いわゆるネットカフェとは違い女性をターゲットにした、休憩時間にリラックスできて仕事帰りにはゆったりと疲れをいやせる場所。

照明やインテリアが重要な役割をもつ。

麻衣とした仕事を思い出した。

この案件は絶対に自分がやりたい。

その前に、やることは山積みだ。その中でも明日の会食が厄介だ。

閉店ギリギリのジュエリーショップに滑り込んだ。

「海棠です」

そう言って受け取り票を手渡すと、店員はにっこりと笑って「少々お待ちください」と言ってバックヤードに向かった。

店員はトレーに乗せたリングケースを開くとプラチナ大に中央には0.7カラット左右には小粒のダイヤが二つぶずつ並んだハリーウインストンの婚約指輪が出てきた。

「こちらでお間違えないですか?」

「はい」

小さな手提げにリングケースを入れるととびきりの営業スマイルで見送られた。

朝の感じからするとやはり合鍵は使わなそうだ。

だとすると、食事会の後に麻衣の部屋に行くしかないだろう。
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