幸せなひとときをきみに〜隠れ御曹司の不器用な溺愛〜
グランドプリンセスホテル内のレストラン。
都内が一望できる窓際の席で隣には高橋部長、目の前には東福社長の次女が座り肩苦しい食事も終わったところで、社長のお嬢さんが窓のを外をチラリと見てから話し始めた。
「素敵なお席ですよね、夜景が綺麗」
「この席を予約するのは骨が折れました」
部長がヘラヘラとお嬢さんに対して気を使っていることに無性にイラつく。
イラつく相手は部長ではなくてこの娘だ、年上の部長に対しても敬意を表するでもなく、下手に出ている人間に対しての不遜な態度が鼻に付く。
「わたしのお気に入りのカフェに海棠さんが携わっているって聞いて興味があったんです。そうしたらパーティで偶然会えてずっとファンなんです」
屈託なく笑うこの女性は男によっては一途で純真そうに見えるのかもしれないが、俺には父親の権威を利用して男を漁る打算女にしか見えない。
「わたしは一介のサラリーマンにかすぎません、ただ仕事をしただけです」
「でも、海棠さんなら独立されてもうまく行くと思います」
彼女は小首を傾げた後、「あっ」といって手のひらで口元を押さえると
「部長さんの前でそんな事言っちゃダメですよね」と、部長に向かって微笑む。
「あはは、聞かなかったことにしましょう」
何の三文芝居だよ。
くだらねぇ
「ところで、仕事の話をいたしませんか?」
いい加減くだらない話を聞くのもうんざりしてきたのでモードを切り替えるために話すと、隣に座っている部長の動きが挙動不審になる。
「あっいや・・・海棠、悪いがこれから東福社長と話があるからお嬢さんを送っていってくれ」
やっぱりそうきたか
「わかりました、ではお嬢さんを送って行きます」
さっさと済ませて麻衣の所に行こう。
お嬢さんの隣に行き「さぁ行きましょう」と声をかけ、立ち上がった所で椅子を引く。
東福社長と部長に向かって挨拶をしてから2人で並んで歩き出した。
「あの、宜しかったらこの後、海棠さんが設計したカフェに行きませんか?」
上目遣いで見上げる姿を目の端だけで見て
「すいません、一旦会社に戻って仕事をしますので」
「そうなんですね、海棠さんがお仕事をしているところを見てみたいです。ダメですか?」
心の中で盛大にため息をつく。
「もちろん」
一瞬、彼女の表情が明るくなる
「ダメに決まってるでしょ、仕事内容は極秘ですよ大企業の令嬢がそんな発言をしたら勘違いされますよ」
キョトンとした表情になってからすぐに笑顔になると
「勘違いしてもらいたくて言ってるんです」
と、すこし拗ねたように言う。
「俺が言っているのは産業スパイと勘違いされますよと言う意味です、さぁタクシーが来ました」
彼女は一瞬にして真っ赤になると、ドアマンが扉を押さえているタクシーに乗り込んだ。
そのドアマンは平静を装っているようだが、かなり笑いを堪えているのがわかる。
しばらくこのお子ちゃまの相手をしないといけないかと思いため息を一つついた所で入口から「あっ」という声が聞こえ反射的にそちらを向くとこの状況で会いたくない人物が立っていた。
都内が一望できる窓際の席で隣には高橋部長、目の前には東福社長の次女が座り肩苦しい食事も終わったところで、社長のお嬢さんが窓のを外をチラリと見てから話し始めた。
「素敵なお席ですよね、夜景が綺麗」
「この席を予約するのは骨が折れました」
部長がヘラヘラとお嬢さんに対して気を使っていることに無性にイラつく。
イラつく相手は部長ではなくてこの娘だ、年上の部長に対しても敬意を表するでもなく、下手に出ている人間に対しての不遜な態度が鼻に付く。
「わたしのお気に入りのカフェに海棠さんが携わっているって聞いて興味があったんです。そうしたらパーティで偶然会えてずっとファンなんです」
屈託なく笑うこの女性は男によっては一途で純真そうに見えるのかもしれないが、俺には父親の権威を利用して男を漁る打算女にしか見えない。
「わたしは一介のサラリーマンにかすぎません、ただ仕事をしただけです」
「でも、海棠さんなら独立されてもうまく行くと思います」
彼女は小首を傾げた後、「あっ」といって手のひらで口元を押さえると
「部長さんの前でそんな事言っちゃダメですよね」と、部長に向かって微笑む。
「あはは、聞かなかったことにしましょう」
何の三文芝居だよ。
くだらねぇ
「ところで、仕事の話をいたしませんか?」
いい加減くだらない話を聞くのもうんざりしてきたのでモードを切り替えるために話すと、隣に座っている部長の動きが挙動不審になる。
「あっいや・・・海棠、悪いがこれから東福社長と話があるからお嬢さんを送っていってくれ」
やっぱりそうきたか
「わかりました、ではお嬢さんを送って行きます」
さっさと済ませて麻衣の所に行こう。
お嬢さんの隣に行き「さぁ行きましょう」と声をかけ、立ち上がった所で椅子を引く。
東福社長と部長に向かって挨拶をしてから2人で並んで歩き出した。
「あの、宜しかったらこの後、海棠さんが設計したカフェに行きませんか?」
上目遣いで見上げる姿を目の端だけで見て
「すいません、一旦会社に戻って仕事をしますので」
「そうなんですね、海棠さんがお仕事をしているところを見てみたいです。ダメですか?」
心の中で盛大にため息をつく。
「もちろん」
一瞬、彼女の表情が明るくなる
「ダメに決まってるでしょ、仕事内容は極秘ですよ大企業の令嬢がそんな発言をしたら勘違いされますよ」
キョトンとした表情になってからすぐに笑顔になると
「勘違いしてもらいたくて言ってるんです」
と、すこし拗ねたように言う。
「俺が言っているのは産業スパイと勘違いされますよと言う意味です、さぁタクシーが来ました」
彼女は一瞬にして真っ赤になると、ドアマンが扉を押さえているタクシーに乗り込んだ。
そのドアマンは平静を装っているようだが、かなり笑いを堪えているのがわかる。
しばらくこのお子ちゃまの相手をしないといけないかと思いため息を一つついた所で入口から「あっ」という声が聞こえ反射的にそちらを向くとこの状況で会いたくない人物が立っていた。