幸せなひとときをきみに〜隠れ御曹司の不器用な溺愛〜
「お兄さんかっこいいですね」

運転手が声をかけてきた。

「え?」

全然かっこよくなんか無いし、むしろ今俺は最高潮に無様だ。

麻衣に何を聞こう、さっきの状況をどう説明すればいいのかそればかりが頭をしめている。

「聞くつもりは無いんですが、聞こえちゃって。わたしならあんな可愛い女性に言い寄られたらコロっといきそうだから」

「はははは、まぁ今はそれどころじゃ無いんで」

力なくそう答えると

「さっきのホテルの前にいた女性二人ですか?」

「ええええええ」

思いっきり動揺してしまった。

「やっぱり、流石にこの仕事が長いと人の動きなんかが見えて来るんですよ、お二方ともお綺麗でしたね」

「まぁ、そうです。いい女なんです」
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