俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ
 朝もやられたけれど、濃厚なチューが始まろうとしているわけで。モニカが悩んでいたのはこの濃厚なチューにどう答えるのが正解なのか、ということ。カリッドの舌が入ってきたらそれに自分のそれを絡めるのが正解なのか、それともカリッドにお任せが正解なのか。

 だが、いつまでもモニカもやられるわけにはいかない。今回は迎え撃つ。カリッドの舌が入ってきた途端に、モニカは自らの舌で出迎えた。

 逆に驚いたのはカリッドの方であるが、それでも嬉しそうに鼻息を荒くすると、ふわりとモニカの身体を持ち上げた。そして、足の向きを変えさせ、横抱きにする。この方が濃厚な口づけがしやすい。
 朝も味わったモニカの口だが、やはりカリッドにとってそれは甘くて心地よくて、癖になる味だった。
 名残惜しいが、そろそろ芝居も始まる。ゆっくりとそれを離す。

< 109 / 177 >

この作品をシェア

pagetop