俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ
「で、だ。今日こそはいいよな?」

 カリッドが言いたいことをイアンは察する。
「合意のうえであれば」

「先っちょくらいなら許されるか?」

「恋人同士になったのです。合意のうえであれば、先っちょだけでなく全てを受け入れてもらえるのではないでしょうか?」

「す、全て、だと?」
 カリッドが尋ねると、イアンはゆっくりと頷く。それを見たカリッドは乙女のように顔を真っ赤に染め上げた。
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