俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ
その相手があのリヴァージュの民の長の娘であれば、彼の相手としても相応しく何の問題もない。つまり、見合いしようがしまいが、結果は同じだったということだ。
だが、この辺の詳細はカリッドの両親とイアンだけが知る事実であって、カリッドとモニカの耳に届くことはなかった。
「あ、そういえば。あの、マルセルの魔導弓は?」
モニカにとって、一番重要なことを思い出した。今回の特別任務の特別報酬。
「な、何? マルセルの魔導弓、だと?」
それに反応したのはモニカの父親。
「あ、はい。その、リディからマルセルの魔導弓をいただける約束になっていたので」
「そうか、プロポーズをするときに指輪を渡すのではなく、マルセルの魔導弓を渡すとは、さすがリディ坊。我が娘のことをよくわかっている」
豪快にモニカの父親が笑い始めた。
この状況で「特別報酬です」とモニカも言い出すこともできず、こうやってカリッドがマルセルの魔導弓でモニカにプロポーズをした、という話が広まっていくのである。
だが、この辺の詳細はカリッドの両親とイアンだけが知る事実であって、カリッドとモニカの耳に届くことはなかった。
「あ、そういえば。あの、マルセルの魔導弓は?」
モニカにとって、一番重要なことを思い出した。今回の特別任務の特別報酬。
「な、何? マルセルの魔導弓、だと?」
それに反応したのはモニカの父親。
「あ、はい。その、リディからマルセルの魔導弓をいただける約束になっていたので」
「そうか、プロポーズをするときに指輪を渡すのではなく、マルセルの魔導弓を渡すとは、さすがリディ坊。我が娘のことをよくわかっている」
豪快にモニカの父親が笑い始めた。
この状況で「特別報酬です」とモニカも言い出すこともできず、こうやってカリッドがマルセルの魔導弓でモニカにプロポーズをした、という話が広まっていくのである。