俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ
四歳下の妹は最近、口が達者になってきており、カリッドの女性不信に対しても茶々を入れるようになってきた。あれだけ可愛かった妹はどこに消えてしまったのだろうと思ってしまうほど。
「俺はここを継ぐわけではないでしょう。兄上を守る立場として、兄上に命を捧げる覚悟でいますので、婚約者など不要です」
それを聞いて苦笑するのは長兄のザカリー。結婚を半年後に控えている。その結婚式には、ぜひとも弟には婚約者と共に出席してもらいたいと心の隅で思っている兄。
「カリッド。否定から入ってしまってはこれからの機会を失ってしまうよ。せっかく父上がこのようにおっしゃっているのだ。会ってみるだけ会ってみたらどうだい? 女性が全てあのような女性ばかりではないだろう? 母上やイリナはどうだ? 違うだろう?」
「俺はここを継ぐわけではないでしょう。兄上を守る立場として、兄上に命を捧げる覚悟でいますので、婚約者など不要です」
それを聞いて苦笑するのは長兄のザカリー。結婚を半年後に控えている。その結婚式には、ぜひとも弟には婚約者と共に出席してもらいたいと心の隅で思っている兄。
「カリッド。否定から入ってしまってはこれからの機会を失ってしまうよ。せっかく父上がこのようにおっしゃっているのだ。会ってみるだけ会ってみたらどうだい? 女性が全てあのような女性ばかりではないだろう? 母上やイリナはどうだ? 違うだろう?」