俺の恋人のフリをしてほしいと上司から頼まれたので「それは新手のパワハラですか」と尋ねてみたところ
 男女平等、適材適所、というのがカリッドの考えらしい。

「仮に、団長がその役を退いたとき、次の団長候補としては、どなたになるのでしょうか」

「ああ、そうだな。普通なら副団長のジョージアなのだが、もしかしたら他の団からやってくるかもしれないな」

 他の団、と言う言葉が耳に入った時に、モニカは顔をしかめた。この第四騎士団は女性騎士にも優しい団であるが、他の団はそうではない。明らかに男尊女卑がはびこっている。そのようなところから団長となるような人物がやってきたら、自分の立場が危うくなるのは目に見えている。
 ということは、ここは不本意ながらもこのカリッドの任務を引き受けるべきなのだろうか。

「団長。念のための確認ではありますが、その、団長の恋人役というのは通常任務の一つでしょうか。それとも特殊任務に該当しますか?」

 任務である以上、確認すべき重要事項の一つだ。
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