狂った愛はどんな色?
「あ〜あ、せっかくうまくいったと思ったのに、気付かれたら意味ないよね」
やけにのん気な声が聞こえ、真希が振り向けば打ち合わせに行ったはずの夏希がニコニコと笑いながら立っている。だが、その笑みはいつものような柔らかいものではなく、どこか黒いものを含んでいる。
「あんただったの!?服とか下着を盗んだり、監視してたりしたのは……」
震える声で真希が訊ねると、「真希ちゃんに何かあったらいけないから」と夏希はヘラリと笑いながら言う。
「テディベアの目にはね、小型カメラがついてるんだ。それを、リビングが見渡せるところに置いてくれて嬉しかったよ。おかげで他にカメラを設置しなくてよかったんだから」
震える真希を夏希は抱き締め、あの日のように頭を撫でる。だが、真希の心はもうあの日のように温かくはならない。凍って、固まって、気持ちが離れていくだけだ。
この狂った愛に色をつけるとするならば、きっとそれは闇よりも深い深い黒なのだろう。
やけにのん気な声が聞こえ、真希が振り向けば打ち合わせに行ったはずの夏希がニコニコと笑いながら立っている。だが、その笑みはいつものような柔らかいものではなく、どこか黒いものを含んでいる。
「あんただったの!?服とか下着を盗んだり、監視してたりしたのは……」
震える声で真希が訊ねると、「真希ちゃんに何かあったらいけないから」と夏希はヘラリと笑いながら言う。
「テディベアの目にはね、小型カメラがついてるんだ。それを、リビングが見渡せるところに置いてくれて嬉しかったよ。おかげで他にカメラを設置しなくてよかったんだから」
震える真希を夏希は抱き締め、あの日のように頭を撫でる。だが、真希の心はもうあの日のように温かくはならない。凍って、固まって、気持ちが離れていくだけだ。
この狂った愛に色をつけるとするならば、きっとそれは闇よりも深い深い黒なのだろう。