狂った愛はどんな色？
心が沈んでしまった時、真希の心を慰めてくれるのは、いつも夏希や夏希の絵だった。

歌い手になる前、自分の声のことで自分に自信が持てなかった真希は、ある日ネットで「なつき」という人が描いた絵を見つける。それは、朝日が水平線の向こうから姿を見せる絵だった。

朝日の優しい色使い、海面に丁寧に描かれた波、あまりにも繊細で美しい絵に、真希は一瞬で心が惹かれていくのがわかった。

しばらくして、なつきは動画サイトにイラスト上達の方法を説明する動画をアップするようになり、その視聴率はどんどん伸びて、あっという間に人気イラストレーターとなっていく。そして、同じ頃に歌い手ルビーとなった真希は、いつかなつきに絵を描いてもらえたらと思っていた。

真希が大学生の頃、この頃には歌い手ルビーは有名になっており、CDも発売していた。そんなある日、次はどんなボカロ曲を歌おうかと真希が悩んでいると、TwitterにあるDMが送られてきたのだ。
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