狂った愛はどんな色?
それから二人はよく話すようになり、互いの家を行き来するほどの仲になっていったのだ。

「真希ちゃん?」

夏希に顔の前で手を振られ、真希は「ごめん!またボウッとしてた」と笑う。夏希はとても心配そうな顔をしていた。

「体調悪くなっちゃったのかなと思って」

「まさか!こんなに元気だよ!」

心配性だな、と笑った真希はふと時計を見る。もう午後六時を回ろうとしていた。そろそろ帰らないといけない。

「こんな時間までお邪魔しちゃってごめんね。そろそろ帰る」

「えっ、夕食も食べてってくれていいよ?」

その言葉に真希の心は一瞬ぐらつく。夏希の作る食事はどれもおいしく、真希よりレパートリーも豊富で上手なのだ。しかし、真希は「ごめん!」と謝る。

「実はこれから、歌い手仲間があたしの家に集まるんだよね。たこ焼きパーティーしようって言ってさ」

「そっか」

シュン、と効果音がついてしまいそうなほど寂しそうにする夏希に対し、真希は慌てて言った。

「また今度ご馳走になるよ。そうだ!今日、みんな集まるから、Mr.シャーデンフロイデ歌おうかって誘ってみようかな」
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