狂った愛はどんな色?
「その時は、僕がイラストを描くよ」

いつも通りに夏希が笑ってくれたため、真希はホッとしてかばんを手に取り、玄関へと向かう。そして靴を履こうとした時、「待って」と夏希に呼び止められた。

「これ、あげるよ。もうすぐ真希ちゃん誕生日でしょ?」

夏希に手渡されたのは、ミルクティーブラウンの色をしたテディベアだった。首には黄緑のリボンが巻かれ、黒い大きな目はクリクリしていて可愛らしい。

「わっ、可愛い!いいの?こんなの貰っちゃって……」

「いいんだよ!真希ちゃんの歌声にいつも元気付けられてるんだから」

夏希にニコリと笑って手渡されたテディベアは、とても柔らかく抱き心地がいい。

「そのテディベア、好きなところに飾ってね」

「うん、ありがとう!どこに飾ろうかな〜……」

どこに飾ろうか色々と考えながら、真希はテディベアを抱いて帰る。そして悩んだ末、リビングを見渡すことができる本棚に飾ることにした。
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