狂った愛はどんな色?
テディベアを貰ってから数ヶ月、真希は変わりない生活を送っていた。
会社員として働き、歌い手としても活動し、歌い手仲間や夏希と遊び、Twitterに文を投稿する。毎日が充実した日々、そう真希は思っていた。ある異変に気付くまでは。
「あれ?」
ある日、真希が会社から帰ってコーヒーでも飲もうかとマグカップやティーカップが入っている棚を開けると、そこには真新しいティーカップが置かれている。それは数日前、真希が「ほしいなぁ」とひとりごとで呟いたものだった。
歌い手仲間が頻繁にこの家に来るため、棚には歌い手仲間たちが使うマグカップやティーカップなどが置かれていたが、どれもイオンモールなどで売っているものだ。だが、棚に入っていたティーカップは、日本ではほとんど出回っていない海外ブランドのもののため、一目でわかる。
「えっ?こんなの買った覚えないんだけど」
自分の購入履歴を確認してみても、そのティーカップを買った記録はない。どこか気持ち悪くなり、真希はティーカップを棚に戻した。