狂った愛はどんな色?
ティーカップに気付いてからは、家の些細な異変に敏感になり、家の変化にすぐ気付いてしまうようになってしまった。

例えば、クローゼットを開けた時によく着ていた服や下着がなくなっており、それを補充するかのように真希の好きなブランドの服や下着が入っていたりする。

歌い手仲間からプレゼントされたアクセサリーが全てなくなっており、代わりに別のアクセサリーがアクセサリーケースに入れられている。

リビングにいると誰かに見られているような気配を感じたり、少し出かけて家に帰って来ると、物の置き場所が変わっていたり、誰かが家の中に侵入していることが明らかだった。

警察に相談することも考えたものの、下着を盗まれたと話すのが恥ずかしく、部屋の異変にただ怯えていた。

安らげる空間であるはずの家で一番神経を張り詰めていると、食事は喉を通らなくなり、夜もまともに眠れなくなり、歌い手仲間といる時もボウッとしてしまうようになった。
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