私(俺)の不器用な愛情表現



犬飼先輩は幽霊部員だけどね。



でも、最近会いに来てくれて。



「俺のこと覚えてる?」


って聞いてきてくれた。



「もちろんですよ!あの時はありがとうございました!楽しかったです。」

「いやいやー。でも、そっか!覚えててくれてたんだ。嬉しいなぁー。」


私も、もう一度会えて嬉しかったですよ、先輩。



でも、それだけ話して、犬飼先輩は帰って行った。



それから会うことは……なかった。



きっと、もうこの人生で会うことなんてないのだと思う。



高校で会えたのが奇跡みたいなものだと思う。
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