2/3片思い
1章 好きになった瞬間
それは高校2年のクラス替え。

体育館に新しいクラス名簿が張り出されている。

自分と同じクラスのメンバーを素早く目で追う。

・・・松川直人・・・。

あ、また同じだ。

その名前を目にした瞬間、鼓動が速くなった。



それまで松川くんは、私にとっては、どうってことないクラスメイト。

話もほとんどしたことなかった。


3学期の終わり、松川くんと私は通路を挟んで隣の席になった。

「起立!」
 
学級委員長の声で、皆が一斉にガタガタと立ち上がる。

通路側に立ち上がった私。

その横でゆっくりと立ち上がった松川くん。

私の右腕に、少しだけ松川くんの左腕が触れた。

あれ?

松川くんってこんなに背が高かったっけ。

私の肩より随分と高い位置に松川くんの肩があった。

なんだかよくわかんないけど、その位置にドキドキした。



その日から、毎時間の「起立」が待ち遠しくてしょうがなくなっていった。



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