2/3片思い
マヨは、パンを全て口に放り込むと、牛乳をストローでずずずっと勢いよく吸い上げた。

そしておもむろに尋ねてきた。

「・・・で、松川君のどこが好きなわけ?」

え?

どこって言われても。

チョコパンをかじったまま考えていると、

「ちょっと、理由もなく好きになっちゃったの?」

と、マヨが甲高い声で叫んだ。

「しー!声が大きいって!」

私は慌てて、マヨの手を掴んだ。

きっと誰も聞いてない。

例え聞いてたって、私なんかのこと皆全然興味なんてもっちゃいない。

なのに、こういう話題には必要以上に自意識過剰になっちゃうもんなのね。

恥ずかしくてしょうがない。

これも初めて知る感覚。

恋っておもしろい。
< 11 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop