2/3片思い
「わー、本当に感動したー!やっぱり生はいいよねぇ。」

コンサートが終わり、人の間をくぐってようやく一息つける通りに出てきた。

「うん。俺もさコンサートなんて初めてだったんだけど、ものすげーパワーだったな。」

「え?タイスケは初めてだったの?」

「なんか悪いか?」

「うううん。そうなんだ。」

「お前は何度か行ったことあるんだろ?」

「うん、マッキーは二回目。他にもちょこちょこ行ったことあるよ。」

「確かに生ライブって最高だよな。生き返った気分だよ。」

タイスケは、かなり共感することを言ってくれた。

コンサートとか映画の後って、こうやって共感できる相手と見るのが一番なんだよね。

意外とタイスケと感じ方が似てるのに驚いた。


「また、来たいなぁ。今度チケット俺が取ったら一緒に行くか?」

タイスケは前を向いたまま言った。

「あー。それはどうかなぁ。」

慌てた様子で私の方を向く。

「なんだよそれ。」

「だってさ。タイスケとばっかりコンサート行ってたら、付き合ってるみたいじゃん。」

「ふん。」

タイスケは、また前を向いた。
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