2/3片思い
「もぉ、マヨー。何してたのよー。携帯つながらないから心配したじゃない。」

思わず本音がポロリとこぼれる。

「心配って、それくらいで何でナツミが心配すんのよ。電波が届かない場所にいることくらい誰だってあるじゃない。」

マヨの冷ややかな声が耳にひびいてくる。

いつものマヨの声だ。

それだけで嬉しい。

「電波が届かないところってどこよ。」

「ん~、どこでもいいじゃない。それより、何?」

珍しくマヨがいらだってる。

今、かけちゃまずかったの?

「今、話してても大丈夫?」

マヨに圧倒されて、少し後ずさり。

「あ、うーん。今出先なんだ。だから、あんまりゆっくり話せないかも。急ぎ?」

どこに出かけてるの?

英会話学校?

もし、そうなんだったら、そうだって言ってくれればいいのに。

っていうか、私から聞けばいいじゃん!

でも、その一言が今はなかなか切り出せないでいる。
< 79 / 158 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop