狂った隣人たち
「祐次、なにか特別なことをしていたりしない? 人より信仰心が強いとか神様をすごく信じているとか」


くるみの問いかけに祐次は首をかしげた。


「そう言ったことはないけどな……。でも最近自分でも気になる夢を見るようになったんだ」


「夢?」


聞き返したのは、今まで静かに聞いていた母親だった。


少し前に夢占いにこっていたときがあるからだろう。


「はい。夢の中で俺は同じ家の中にいるんです。だけどリビングやキッチンには違
う家族がいる。その人たちも4人家族で、家族構成も全く同じなんです」


それから祐次は2度見た夢の内容を話してきかせた。


「家族団欒の夢は家族に嬉しいことが起こる暗示。勉強の夢は自分が力不足であることを知らせているのよ」

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