狂った隣人たち
☆☆☆

3人の死体を発見したのは弟の孝司だった。


発狂した孝司はしばらく呆然としていたが、こうなったのはすべて和宏のせいだと判断した。


この男は自分の生活をめちゃくちゃにしたのだ。


元々役立たずの金食い虫で、生きている価値なんてないと思っていた。


一緒にいるといい弟を演じないといけなくて、心底疲れていたし、大嫌いだった。


そいつが、俺の家族を壊したんだ。


怒りは炎のように燃え上がっていき、気がつけば和宏の死体を引きずって和室へと移動してきていた。


ここは客間として使われていて、物が少ない。


その中の畳を一枚上げて、父親の使っている工具で床板を外した。


床下は中腰になれば移動できるだけのスペースがあり、孝司はスコップを持って移動すると地面に穴を掘り始めた。


こいつだけは絶対に許さない。


死んで楽になんかしてやるものか。


死んでもなお、苦しみ続ければいいんだ。


強い怒りと憎しみを持って穴を掘り続け、そしてその中に和宏の死体を生めたのだ。
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