狂った隣人たち
☆☆☆

2人が床下から人骨を発見した事件は全国ニュースになって流れていた。


しばらくは家の周辺に記者たちの姿もあり、くるみ自身も何度か質問されそうになったことがあった。


しかしくるみはそのどれもに口をつぐんだ。


手を貸したとっていってもすべては祐次の家で起こったことで、くるみが口を出してはいけないと考えていた。


そして一ヶ月が経過した……。


「今日なんだね」


リビングの窓から聡子が外の様子を見つめていた。


くるみもその隣に立ち、外を見る。


隣の家の前には引越しのトラックが止まっていて、大きなダンボールを家から運び出しているところだった。


ほんの数ヶ月前にはこれと似たような光景を見ていた。


今はその逆だけれど。


「祐次くん、学校はどうするの?」


「また変わるみたい。今度は通信学校で一からやり直すんだって」


その話をきいたとき、くるみは思わず祐次を引き止めていた。


そんなことをする必要はない。


引っ越しても、今と同じ学校に通えばいいじゃないと。


でも祐次は首を立てには振らなかった。
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