狂った隣人たち
「あぁ、でもこれで安心した。お隣さんとか、地区の人とかどんな人がいるんだろうと思って、少し不安だったんです。でも、こうして知っている人が近くにいると思ったら、やっぱり心強いです」


「こちらこそ、わからないことはなんでも聞いてくださいね。といってもお互いに借家でしょうから、地区の役員をするような心配はないですけど」


そういって笑い合う母親同士はすでに意気投合している。


こちらとしてもこんなに早くどんな人が引っ越してくるのだろうかと不安を抱えていたので一安心だ。


「これからよろしくね。くるみちゃん」


祐次にそう言って右手を差し出されたくるみはドキドキしながら手を握り返したのだった。
< 28 / 192 >

この作品をシェア

pagetop