狂った隣人たち
嫌がらせ
いつかこういう日がくるんじゃないかという予感はしていた。


なにせ祐次は転校初日から女子に大人気だ。


そんな人の隣にいるくるみが攻撃されないわけがなかった。


Ａ組の教室に入った途端みんなからの視線を感じて、くるみは居心地の悪さを感じた。


次に「おはよう」と声をかけても、誰もくるみの挨拶に返事をしないことで、クラス内の変化に気がついた。


そして決定的だったのは……机にかかれたラクガキだった。


黒いマジックで「ブス」「バカ」「淫乱」など好き勝手にそして乱暴に書かれている。


誰かからの敵意を感じるラクガキに胸の中にどす黒い不の感情が湧き上がってくる。


一体誰がこんなことを。


Ａ組はこれまでとても穏やかなクラスだった。


目だったイジメもなかったし、なんだかんだとみんな仲がよかったはずだ。


その関係が崩れた瞬間は、自分のせいだった。


しばらく呆然として自分の机を眺めていたくるみだけれど、我に返って雑巾を手にした。


祐次はトイレによっているから、その間に消してしまわないといけない。


もし自分のせいでイヤガラセを受けていると考えたら、祐次は無視できないはずだ。
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