ママの手料理 Ⅱ
0823番も1212番も、私が返品されてから初めて出会った下僕だ。
0823番は私より少し年上だけれど下僕養成所での成績は奮わず、私と1212番が何とか助けたからこうしてオークションに参加出来ている。
人一倍怖がりで何でもやる前から諦める、少し意地の悪い性格で。
それでも、良いご主人様に会える確率はゼロに近いのに、外の世界に対する希望は誰よりも強かった。
対する1212番は、自称20歳の先輩下僕。
今までもオークションに参加出来たはずなのに、怪盗パピヨンについて調べたい事がある、とか何とか言ってずっと参加時期を遅らせ、今回ようやくオークションに参加する運びとなった。
彼女は、その言葉通り怪盗パピヨンについて膨大な知識を持っており、私達が“大叔母様”や“ご主人様”と呼称する怪盗パピヨンのボスの本名まで調べ尽くしている。
怪盗パピヨンに対して軽い反発心を抱いている彼女は、言わば“歩く怪盗パピヨン専用辞書”だ。
私達3人は銃を扱う授業で初めて出会い、そこで意気投合してからずっと行動を共にしてきた。
食べ盛りな少女に対しては少なすぎる残飯を3人で分け、暖房もない薄暗い部屋で身を寄せあって寝て、辛い時は慰めあった仲。
本来は皆外の世界で生まれ、何らかの事情で下僕養成所に入ったはずだけれど、誰も自分の出生について、自身の誕生日以外はよく知らない。
0823番は私より少し年上だけれど下僕養成所での成績は奮わず、私と1212番が何とか助けたからこうしてオークションに参加出来ている。
人一倍怖がりで何でもやる前から諦める、少し意地の悪い性格で。
それでも、良いご主人様に会える確率はゼロに近いのに、外の世界に対する希望は誰よりも強かった。
対する1212番は、自称20歳の先輩下僕。
今までもオークションに参加出来たはずなのに、怪盗パピヨンについて調べたい事がある、とか何とか言ってずっと参加時期を遅らせ、今回ようやくオークションに参加する運びとなった。
彼女は、その言葉通り怪盗パピヨンについて膨大な知識を持っており、私達が“大叔母様”や“ご主人様”と呼称する怪盗パピヨンのボスの本名まで調べ尽くしている。
怪盗パピヨンに対して軽い反発心を抱いている彼女は、言わば“歩く怪盗パピヨン専用辞書”だ。
私達3人は銃を扱う授業で初めて出会い、そこで意気投合してからずっと行動を共にしてきた。
食べ盛りな少女に対しては少なすぎる残飯を3人で分け、暖房もない薄暗い部屋で身を寄せあって寝て、辛い時は慰めあった仲。
本来は皆外の世界で生まれ、何らかの事情で下僕養成所に入ったはずだけれど、誰も自分の出生について、自身の誕生日以外はよく知らない。