ママの手料理 Ⅱ
次に無線機から聞こえてきたのは、高くて弱々しい笑美の声。
俺と仁だけが問題の映像を見れていない状況で、
『下僕って…、ちょっと痩せすぎじゃねぇかこいつ』
『これは、…死んでると勘違いしても無理はないね。余計紫苑の事が心配になってきた』
と、映像を見れている他のメンバーの恐ろしい台詞だけが聞こえてくる。
(紫苑ちゃん…、)
彼らが何を見ているのか分からないけれど、その言葉からまるで骸骨の様な姿になってしまった紫苑ちゃんを想像してしまった俺の身体には、一瞬にして無数の鳥肌が出現した。
「ねえ、分かりずらい解説しないで。僕達はどうしたらいい?進んでいいの?」
そんな中、いつもの飄々とした口調で尋ねたのは仁で。
良くも悪くも空気を読まないその性格のお陰で、俺の無駄な妄想モードも終わりを告げる。
『あ、ああ。さっきも言ったが、水飲み場付近の窓が開いてるからそこから中に入れ。お前らが入ったら建物の電気を全て消す』
銀子ちゃんの命令に頷いた俺達は、割れた窓ガラスに触れないようにしながら校舎内に侵入した。
「こんなの不審者のやる事じゃん…、てかこの部屋狭っ、どうやって出るのさ?」
怪盗パピヨンによって室内は改造されているらしく、元は教室だったはずの部屋は6畳もない小さな部屋となっていた。
俺と仁だけが問題の映像を見れていない状況で、
『下僕って…、ちょっと痩せすぎじゃねぇかこいつ』
『これは、…死んでると勘違いしても無理はないね。余計紫苑の事が心配になってきた』
と、映像を見れている他のメンバーの恐ろしい台詞だけが聞こえてくる。
(紫苑ちゃん…、)
彼らが何を見ているのか分からないけれど、その言葉からまるで骸骨の様な姿になってしまった紫苑ちゃんを想像してしまった俺の身体には、一瞬にして無数の鳥肌が出現した。
「ねえ、分かりずらい解説しないで。僕達はどうしたらいい?進んでいいの?」
そんな中、いつもの飄々とした口調で尋ねたのは仁で。
良くも悪くも空気を読まないその性格のお陰で、俺の無駄な妄想モードも終わりを告げる。
『あ、ああ。さっきも言ったが、水飲み場付近の窓が開いてるからそこから中に入れ。お前らが入ったら建物の電気を全て消す』
銀子ちゃんの命令に頷いた俺達は、割れた窓ガラスに触れないようにしながら校舎内に侵入した。
「こんなの不審者のやる事じゃん…、てかこの部屋狭っ、どうやって出るのさ?」
怪盗パピヨンによって室内は改造されているらしく、元は教室だったはずの部屋は6畳もない小さな部屋となっていた。