ママの手料理 Ⅱ
『1と14を、足して割って掛けて引いただけだけどな』
続いて聞こえてきたその言葉に、俺は呆れてため息をついた。
危ない危ない、こんな脳内空っぽで推理している奴に拍手をしなくて良かった。
頭を振り、無線機の声ではなく今目の前でやらなければいけないことに意識を集中させる。
「真っ暗だし、今紫苑ちゃんの名前呼んでも怪盗パピヨンに居場所を知られるだけだよね…。取り敢えず上行く?」
壁に手を当てて中腰で進みながら、俺がそう提案すると。
「そうだね、元はと言えばこうなったのもハッカーのせいだから、って……大也伏せて!」
俺の後ろから着いてきていた仁がいきなり大声を上げ、
「うぉい!?」
驚いた俺が土下座のポーズを取った瞬間、先程まで俺の頭があった所を何かが飛んでいった。
(何!?凶器まじ無理!)
心臓がバクバクと激しい音を立てる。
目の前を物凄いスピードで飛んでいき、壁に当たって動きを止めたそれは、
「ハイヒール…?」
血を塗りたくったような真っ赤な色をした、ナミちゃんが履いていたものよりも少しヒールの部分が高いハイヒールだった。
その部分が頭にぶつかったらひとたまりもないだろう。
続いて聞こえてきたその言葉に、俺は呆れてため息をついた。
危ない危ない、こんな脳内空っぽで推理している奴に拍手をしなくて良かった。
頭を振り、無線機の声ではなく今目の前でやらなければいけないことに意識を集中させる。
「真っ暗だし、今紫苑ちゃんの名前呼んでも怪盗パピヨンに居場所を知られるだけだよね…。取り敢えず上行く?」
壁に手を当てて中腰で進みながら、俺がそう提案すると。
「そうだね、元はと言えばこうなったのもハッカーのせいだから、って……大也伏せて!」
俺の後ろから着いてきていた仁がいきなり大声を上げ、
「うぉい!?」
驚いた俺が土下座のポーズを取った瞬間、先程まで俺の頭があった所を何かが飛んでいった。
(何!?凶器まじ無理!)
心臓がバクバクと激しい音を立てる。
目の前を物凄いスピードで飛んでいき、壁に当たって動きを止めたそれは、
「ハイヒール…?」
血を塗りたくったような真っ赤な色をした、ナミちゃんが履いていたものよりも少しヒールの部分が高いハイヒールだった。
その部分が頭にぶつかったらひとたまりもないだろう。