ママの手料理 Ⅱ
第1章
非日常
「…やっぱり家出なんじゃないのー?高校生の少女にはよくある事だって」
「うーん…、家出か……」
紫苑ちゃんの姿を探しつつ走りに走った俺が息を切らせて帰宅すると、暖房のついたリビングにはリーダーとナルシストの姿があった。
「ただい、ま…紫苑ちゃんは、?」
ゼェゼェいいながらコートを脱いでウイッグを外した俺は、よろめきながらソファーに深く沈み込んだ。
椅子に腰かけたエプロン姿の湊が、まだ帰ってこないんだよね…、と、返答する。
(そう…)
「え、じゃああの後もストラップ取りに来なかったって事?」
自分の真っ白な髪を弄りながら、仁に向かって尋ねると。
「取りに来なかったよ。というかそもそもお店にすら来てないし。航海と、『今日は紫苑ちゃんタピオカねだりに来ないね』って話してたから間違いないよ」
と、いつになく神妙な面持ちで答えてくれた。
「ストラップ………ちょっとそれ見せて」
心配性過ぎる湊は、たった一晩で何歳も歳をとったような顔つきで手を差し出した。
そこに乗せられたmirageお揃いのストラップを、彼はまじまじと見つめた。
「これ、確かに紫苑のだけど…。紐の部分引きちぎられてるし、中のGPSも壊れてるかも。踏まれたのかな?」
「うーん…、家出か……」
紫苑ちゃんの姿を探しつつ走りに走った俺が息を切らせて帰宅すると、暖房のついたリビングにはリーダーとナルシストの姿があった。
「ただい、ま…紫苑ちゃんは、?」
ゼェゼェいいながらコートを脱いでウイッグを外した俺は、よろめきながらソファーに深く沈み込んだ。
椅子に腰かけたエプロン姿の湊が、まだ帰ってこないんだよね…、と、返答する。
(そう…)
「え、じゃああの後もストラップ取りに来なかったって事?」
自分の真っ白な髪を弄りながら、仁に向かって尋ねると。
「取りに来なかったよ。というかそもそもお店にすら来てないし。航海と、『今日は紫苑ちゃんタピオカねだりに来ないね』って話してたから間違いないよ」
と、いつになく神妙な面持ちで答えてくれた。
「ストラップ………ちょっとそれ見せて」
心配性過ぎる湊は、たった一晩で何歳も歳をとったような顔つきで手を差し出した。
そこに乗せられたmirageお揃いのストラップを、彼はまじまじと見つめた。
「これ、確かに紫苑のだけど…。紐の部分引きちぎられてるし、中のGPSも壊れてるかも。踏まれたのかな?」