ママの手料理 Ⅱ
「ほんと…?それは、良かった…!」
半年以上彼女に会えていないから、記憶を失った時はどんな様子だったか、はたまた記憶を取り戻した今の彼女がどんな風に笑っているのかを知る術はない。
それでも、毎日罪の意識に苛まれながら過ごしていた伊織にとって、彼女の記憶が戻ったという喜びは大きかった。
そして、琥珀が紫苑ちゃん誘拐の一連の捜査に自分の意見も使ってくれた事も嬉しくて。
「…今夜、あいつらがチビの『記憶復活祭』って名前のパーティーを開くらしい」
続いて聞こえてきた彼の声に、伊織は我に返って声の主を見上げた。
「何でも、ケーキ作って家族写真撮って一杯やって…今夜は全員オールだって張り切ってやがった。くだらねぇ」
さも乗り気ではなさそうに言葉を紡ぐ琥珀の頬は緩んでいて。
「そう…。それは良かった、楽しんでね」
自分はその間、他の看守さんと話してようかな…、とぼんやり考えつつ、笑顔でそう言うと。
「…お前が帰ってきたら、何て名前のパーティーになるんだろうな」
耳を疑う台詞が聞こえてきて、伊織は目を大きく見開いた。
「それって、どういう……」
それは、琥珀が自分を許したということなのか?
自分は、刑期が終わったらまた皆の元に帰ってもいいのだろうか?
半年以上彼女に会えていないから、記憶を失った時はどんな様子だったか、はたまた記憶を取り戻した今の彼女がどんな風に笑っているのかを知る術はない。
それでも、毎日罪の意識に苛まれながら過ごしていた伊織にとって、彼女の記憶が戻ったという喜びは大きかった。
そして、琥珀が紫苑ちゃん誘拐の一連の捜査に自分の意見も使ってくれた事も嬉しくて。
「…今夜、あいつらがチビの『記憶復活祭』って名前のパーティーを開くらしい」
続いて聞こえてきた彼の声に、伊織は我に返って声の主を見上げた。
「何でも、ケーキ作って家族写真撮って一杯やって…今夜は全員オールだって張り切ってやがった。くだらねぇ」
さも乗り気ではなさそうに言葉を紡ぐ琥珀の頬は緩んでいて。
「そう…。それは良かった、楽しんでね」
自分はその間、他の看守さんと話してようかな…、とぼんやり考えつつ、笑顔でそう言うと。
「…お前が帰ってきたら、何て名前のパーティーになるんだろうな」
耳を疑う台詞が聞こえてきて、伊織は目を大きく見開いた。
「それって、どういう……」
それは、琥珀が自分を許したということなのか?
自分は、刑期が終わったらまた皆の元に帰ってもいいのだろうか?