ママの手料理 Ⅱ
彼女の目撃情報すらない中、俺達は藁にもすがる思いで紫苑ちゃんが連絡を取りそうな所を回っていた。
事実、この養護園を訪れるのは彼女が居なくなってから2回目だ。
「あなた達、随分と彼女と親しいみたいだけど…園に入っていた時期は違うわよね?お友達?」
彼女の無垢な質問に、
「ああ、そんな所だ。ルームシェアしてるからな」
銀子ちゃんが、ジュースを持ち上げてワインのようにグラスを揺らしながらぶっきらぼうに口を開いた。
「あら、去年琥珀もそんなような事を言ってたわね。あなた達、そんなに仲良かったかしら?」
白と黒の混ざり合った髪を揺らした彼女は、柔らかく微笑んだ。
去年、OASISのニュースがテレビで流れた直後、琥珀とリンちゃんは紫苑ちゃんの過去を辿る為にこの園を訪れていた。
その際、彼らは副島先生から話を聞き、紫苑ちゃんに多額の保険金がかけられている事を知ったのだ。
「あーうん、何かね、色々あって一緒に住んでるんだけど、そしたら仲良くなった」
何も知らない彼女を前に、信じられない程端折って説明してしまった。
「誰とルームシェアしてるの?あなた達2人、琥珀、紫苑ちゃん…だけ?」
園の卒業生とは未だに親交のある彼女は、突っ込んだ質問をしてきて。
事実、この養護園を訪れるのは彼女が居なくなってから2回目だ。
「あなた達、随分と彼女と親しいみたいだけど…園に入っていた時期は違うわよね?お友達?」
彼女の無垢な質問に、
「ああ、そんな所だ。ルームシェアしてるからな」
銀子ちゃんが、ジュースを持ち上げてワインのようにグラスを揺らしながらぶっきらぼうに口を開いた。
「あら、去年琥珀もそんなような事を言ってたわね。あなた達、そんなに仲良かったかしら?」
白と黒の混ざり合った髪を揺らした彼女は、柔らかく微笑んだ。
去年、OASISのニュースがテレビで流れた直後、琥珀とリンちゃんは紫苑ちゃんの過去を辿る為にこの園を訪れていた。
その際、彼らは副島先生から話を聞き、紫苑ちゃんに多額の保険金がかけられている事を知ったのだ。
「あーうん、何かね、色々あって一緒に住んでるんだけど、そしたら仲良くなった」
何も知らない彼女を前に、信じられない程端折って説明してしまった。
「誰とルームシェアしてるの?あなた達2人、琥珀、紫苑ちゃん…だけ?」
園の卒業生とは未だに親交のある彼女は、突っ込んだ質問をしてきて。