ママの手料理 Ⅱ
彼女を発見する事が自分の天命だ、とでも言わんばかりに鼻息を荒くさせた俺に、
「おい、“見つける”なんて不謹慎なこと言うな。ニュースでは“発見”は死亡した人に使う言葉、“保護”は生きてる人に使う言葉なんだぞ」
銀子ちゃんの低い声が聞こえた。
(良くそんなの知ってるな…。銀子ちゃんっていつもニュース見てるっけ?)
パソコンでエロい画像を見る以外にやっている事があるなんて、と、密かに感動した俺は、ただ頷いて車の助手席のドアを開けた。
実はそんな彼が、毎日ニュースで紫苑ちゃんに関する報道がないか血眼になって探していた事を知るのは、もう少し後の話。
「あ、お疲れ様です。どうでしたか、何か進展はありましたか?」
後部座席から、スマホのゲームをしながら留守番をしていた航海が話し掛けてきた。
「なーんにも。驚いちゃうくらい何にもなかった。俺達がちゃんと生活してる事に安心されて終わり。そっちはどう?」
「あ、三勝一敗で勝ちました!応援ありがとうございました!」
「いやそういう事じゃなくて…」
航海の空気を読まない明るい声に、俺ははぁ、とため息をついた。
「おい、“見つける”なんて不謹慎なこと言うな。ニュースでは“発見”は死亡した人に使う言葉、“保護”は生きてる人に使う言葉なんだぞ」
銀子ちゃんの低い声が聞こえた。
(良くそんなの知ってるな…。銀子ちゃんっていつもニュース見てるっけ?)
パソコンでエロい画像を見る以外にやっている事があるなんて、と、密かに感動した俺は、ただ頷いて車の助手席のドアを開けた。
実はそんな彼が、毎日ニュースで紫苑ちゃんに関する報道がないか血眼になって探していた事を知るのは、もう少し後の話。
「あ、お疲れ様です。どうでしたか、何か進展はありましたか?」
後部座席から、スマホのゲームをしながら留守番をしていた航海が話し掛けてきた。
「なーんにも。驚いちゃうくらい何にもなかった。俺達がちゃんと生活してる事に安心されて終わり。そっちはどう?」
「あ、三勝一敗で勝ちました!応援ありがとうございました!」
「いやそういう事じゃなくて…」
航海の空気を読まない明るい声に、俺ははぁ、とため息をついた。