LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
タワマンから出ると、離れた場所からそれを見上げる。
永倉副社長の部屋は、このタワマンの最上階ではなかったけど。
かなり高い場所にあり、リビング一面の大きなウィンドウから見えた景色が、殆ど空だった。
まあ、出て行く時にチラッと見ただけだけど。
ぼんやりと駅の方を目指して歩いている途中に、川があって。
川というより、それは浅いどぶで。
立ち止まったのは、その端の土手の木にまだ少し桜が残っていたから。
もう、全部散ってしまったと思っていたけど。
手にまだあのえんじ色のネクタイを持っている事に気付き、
先程迄の永倉副社長との色々を思い出して腹が立ち。
そのどぶへと、ネクタイを投げ捨てしまった。
あ、と思った時には、遅くて。
そうやって、永倉副社長へ誰かからのプレゼントのものを勝手に捨てた事もそうだし、
こんな場所に、投棄した事にも罪の意識が芽生えた。
けど、ネクタイはその汚れた水を吸い、緩いけどある水流に飲まれて、すぐに沈んでいった。
流石に、この中に入ってそれを拾いあげる気にはなれなくて。
ごめんなさい、とその場所を離れた。
永倉副社長の部屋は、このタワマンの最上階ではなかったけど。
かなり高い場所にあり、リビング一面の大きなウィンドウから見えた景色が、殆ど空だった。
まあ、出て行く時にチラッと見ただけだけど。
ぼんやりと駅の方を目指して歩いている途中に、川があって。
川というより、それは浅いどぶで。
立ち止まったのは、その端の土手の木にまだ少し桜が残っていたから。
もう、全部散ってしまったと思っていたけど。
手にまだあのえんじ色のネクタイを持っている事に気付き、
先程迄の永倉副社長との色々を思い出して腹が立ち。
そのどぶへと、ネクタイを投げ捨てしまった。
あ、と思った時には、遅くて。
そうやって、永倉副社長へ誰かからのプレゼントのものを勝手に捨てた事もそうだし、
こんな場所に、投棄した事にも罪の意識が芽生えた。
けど、ネクタイはその汚れた水を吸い、緩いけどある水流に飲まれて、すぐに沈んでいった。
流石に、この中に入ってそれを拾いあげる気にはなれなくて。
ごめんなさい、とその場所を離れた。