LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
そうして、その後は岡崎社長の秘書の一人である高田さんから、色々と指導して貰った。


高田さんは、20代後半くらいの男性で、今日、初めて話した。


私の仕事内容は、ちょっとした雑用と岡崎社長が外に出る際に同行するのみになった。


本当に私の仕事内容は楽で、高田さんには悪い。


それで謝ると。


「いえ。俺は接待とかに付き添う方が苦手なので、構いませんよ」


一見、高田さんは厳しそうな風貌なのだけど、そう言って笑ってくれた。



そして、初日の今日。


早速、夕方から私は岡崎社長と辻丸食品社長との接待へと、帯同する。


辻丸食品は、主にうちの会社が経営する[笑い鳥]のフードの仕入れ先として、うちはお得意様の関係。



料亭で懐石料理を秘書である私もご馳走になった。


その料理はとても美味しいのだけど。


「すみません。ちょっとお手洗いに」


途中で秘書の私がトイレ等で席を立つのはどうかと思い、水分は極力取らないようにしていたのだけど。


さっきから、とても気持ち悪くて。


さっき食べた牛肉の焼き物がレアだったからかな?



私は個室から出ると、廊下の突き当たり迄歩き、そこにしゃがみ込んだ。


なんだか、目眩迄して来た。



暫くした頃。



「文乃ちゃん、大丈夫?」


そう頭上から聞こえた声に顔を上げると、岡崎社長が立っている。



「あ、こんな所でしゃがみ込んですみません!!」


慌てて立ち上がるとさらに目眩がして、
倒れそうになるが、寸前で岡崎社長が両肩を支えてくれた。


「まただ…」


また?

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