LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~


「とりあえず、今後の事を話さないといけないから、このままうちに来て」


タクシーの中、岡崎社長にそう言われる。



「え、社長の家にですか?」


「だって、みー君が父親なら、俺も無関係ではないから」


そうか。


もし、本当に私が妊娠しているなら、
私のお腹の中の子供はこの人の甥っ子か姪っ子になるのか。


「大丈夫。
文乃ちゃんにとって悪いようにはしないから」


なんだろう。


さっきもそうだったけど、この人に大丈夫だと言われると、とても安心する。


普段はちょっとチャラチャラしてるけど、やはり大会社の社長なだけある。




岡崎社長の家は、あの日訪れた永倉副社長が住んでいる同じタワマンで、
しかも、隣の部屋だった。



「とりあえず、文乃ちゃん顔色悪いから、寝てなさい」


そう言われ、寝室へと連れて行かれる。


岡崎社長の寝室には、大きなキングベッドがドーンとあり、
今現在、この人と寝室に二人っきりな事に気付いた。


気付いたけど、この人がそんな気がないのは、私を心配するように見ているその目で分かる。


「喉とか乾いてない?」


「大丈夫です」


「とりあえず、ちょっと寝といて。
その間に、急いで薬局でアレ買って来るから」


「アレ?」


アレって、もしかして、アレ?


こんな私を心配するような顔をして、する気?


「妊娠検査薬ってやつ?
流石にいきなり病院ってのもね。
この時間、もう救急しかないだろうし。
それに、妊娠してるかしてないかだけ、ハッキリしないと」


「そうですね…」


妊娠検査薬か…。


変に勘違いしてしまった。


でも、妊娠してるんじゃないかと言われてから、もう本当にそうとしか思えない。


私、きっと妊娠してるんだろうな。


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