LOVEBAD~ヤクザの息子の副社長と最低最悪の身籠り婚~
結婚
翌日、私は結婚した。
その相手は少し前迄本当に憧れて大好きだった、永倉副社長。
けど、今は大嫌いな永倉副社長。
「不備はないですね。
おめでとうございます」
私は岡崎社長からの指示で、
就業時間中に、こうして役所に婚姻届を出しに来た。
夕べ、名前を書いた後は岡崎社長にその婚姻届を預けていたのだけど。
今日、その渡された婚姻届には、押した覚えのない私の西村の判が押され、
同じように永倉副社長の判もあった。
証人も、一人は岡崎副社長で、
もう一人は、社長秘書の一人の高田さんがなっている。
「これ、みー君の戸籍謄本も用意したから、
後は文乃ちゃんに任せる」
そう言って、今さら入籍を断れないような、無言の圧力を感じる笑みを向けられた。
私はそれらを持ち、本籍のある実家の近くの市役所に来た。
その前にちょっと実家に寄って、父親は仕事で居なかったけど、母親と少し話した。
「ブルークローバーグループの副社長と結婚なんて、文乃凄いじゃない」
母親の第一声はそれで、その後もずっとそんな感じ。
とても、私と永倉副社長との結婚を喜んでくれているのは分かった。
「私が妊娠しているのは、岡崎社長から聞いてる?
それでも、いいの?」
「お父さんがそれも社長さんからの電話で聞いたみたい。
お父さん、今は子供が出来てから結婚するのも珍しくないからなぁ、なんて笑ってた」
昔から私の両親は、子供に対して奔放主義な所があるけど。
流石に今回は子供が出来て結婚なんて、ちょっとは怒られるかと思っていたのに、
拍子抜け。
でも、手放しで喜んでくれるのは、相手がしっかりとした身分だから、か。
「早く、孫の顔が見たいなぁ」
そう、はしゃいでいた。